受託開発SEから自社開発SEに転職

増え続けるSIerからの転職者、その原因とは?

近年ではSIerに在籍するSEから転職を希望する人が増えてます。この大きな原因の1つに,SI(システムインテグレーション)の多重下請け構造(ITピラミッド構造)の問題が存在します。

SIは、企業の要望に沿ったシステム開発を、発注元の業務に合わせ請け負うシステムで、開発工数も多いので、金額も安いものから高いものまで幅広く、時には数百億以上になることもあります。ただ、高額な仕事を受託できる企業は、必然的に資金力のある大手企業(大手SIer)だけで、代表的ところですと NTTデータや富士通,NECなどがあります。

大手SIerは受託した業務の管理や調整を担い、実際にシステム開発を行うのは、大手SIerの下請け・孫請けなど中小下請け企業に在籍するその他多くのSEです。いわゆる「ITゼネコン構造」により、案件を受注した企業との間に、下請け・孫請などの会社が入れば入るほど中間マージンが発生して受注金額が安くなっていきます。その結果、末端の下請け会社で働いているSEは非常に少ない報酬しかもらえないというシステムになっています。

さらに末端の企業になるほど仕事の質も単純なプログラミングやテストの繰り返しなど、キャリアアップにつながらない単純作業になる傾向があります。このため、将来的なキャリアップを目指してSEとしてSIerに入社したものの、給料、福利厚生など待遇が悪い上、キャリアアップや上流工程の仕事をできる機会もない等、理想と現実のギャップに悩み転職を考えるSEが増えているのが現状です。

ただ、エンジニアはつぶしが効かない職業とも言われていますが、SEから同業あるいは異業種のIT転職に成功している人もたくさんいます。ただ、多くのケースでは30代後半以降、徐々にエンジニアとしての価値も下がっていく傾向があります。

そこで将来的にエンジニアとしてキャリアアップや遣り甲斐のある仕事に就きたいのであれば、なるべく早い段階で転職に向けた行動を起こされることをおすすめします。

社内SEへの転職

自分の能力を活かし将来的に遣り甲斐のある大きな仕事をするためには、やはりそれ相応の整った環境で働く必要があります。今の職場がSEとしてのキャリアや価値を高める環境ではないのであれあば、転職を考えることもよい判断です。むしろ、自分自身を高める将来像が見込めない会社でいやいや働くことは、大きなマイナスにつながります。

SEのキャリア・経験を活かした転職では、異業種の会社(IT業界以外の企業)の社内SEとして転職するのも有効な手段です。社内SEの業務内容は、社内のIT関連業務として現存する情報システムの運用・構築やネットワーク・アプリケーションなどの企画・開発・管理など多岐に渡ります。特に、SIerとして外部のSEとして分業・細分化された業務を行ってきた人にとって自分の所属する会社の経営に関わることができることは大きな魅力でしょう。

社内SEのメリットは、SIerのように外部者の立場ではなく、社員としてシステムの企画・開発に取り組むことができる点です。このため、経営戦略や業務改善にも深く関わることができ、遣り甲斐をもって働くことができます。また、自社のシステムや特定技術を担う業務がメインとなるため、ITゼネコン構造のようなSIerのSE特有の悩みからも解放され、常に仕事と生活のバランスや安定感を持って働けることも大きなメリットです。

ただ、安定感がある反面、自社のシステムのみを扱うことになるためSEとしての技術面が固定化されてしまう点がデメリットです。このため、SEとして優れたキャリアを身に着けたいという人に社内SEは向いていません。

また、SIerの場合、クライアントであるユーザーが社内メンバーとなるので、価値観のずれが理由で社内で浮いてしまう危険性もあるので注意が必要です。

WEB系開発者への転職

SIerに在籍するSEから転職を考える際、同業種や同業あるいは異業種への転向など様々な選択があります。ただ、全くの異業種への転職は、給料・待遇共に悪く、ブラック企業につかまってしまう可能性も高いのであまりおすすめできません。

やはり、SEからの転職をする人の多くは、これまでのSEとしてのキャリアや経験を活かして転職にも成功しています。中でも最も成功率の高い転職先は、自社でサービスやアプリ、ゲームなどを開発しているWeb企業への転職です。大手ですと代表的なところでLINEやDeNAなどがありますが、規模は大手から小規模まで様々です。

Web企業は、自社開発をしている会社なので、SIerのようなITゼネコン体質とは一切無縁ですし、実際に待遇や福利厚生、年収アップなど転職に成功している人もたくさんいます。

特に、近年ではWEB業界全般の成長・拡大に伴い、SI業界でのSEとしてのキャリア・経験を持つ人材が求められる傾向があるため転職成功者も多いのが特徴です。

ただ、WEB業界は変化が激しいので、ずっとSIerの下請け構造の環境に浸っていると、転職希望先のWEB企業から求められている新しいスキルや情報にも疎くなってしまいます。そこで、SIerの在籍しながら、将来的にWEB系企業への転職を成功させるために事前の準備は必要不可欠です。以下にポイントをまとめてみました。

受託開発SEから自社開発SEに転職、注意点と成功のポイント

将来的に、社内SEやWeb企業など自社開発SEへの転職を考えている人必見、以下に注意点と成功のポイントをまとめましたので是非参考にしていただけると幸いです。

その業界の人たちとの人脈を広げる

SIER在職時から積極的に勉強会に参加するなど転職希望先の企業の人たちとの交流の場をつくり人脈を広げていくことも大切です。希望先の企業に在籍する人たちがどのようなビジョンやマインドセットなのかを知り、学び取ることでよい刺激を受け、転職に向けたモチベーションアップにもつながります。

仕事に対する自主性、向上心

同じIT業界であっても、SIerは特殊で、1つのプロジェクトを分業・細分化さた業務を任されることが多いSIerに比べ、WEB業界では1つのプロジェクト全てを担当することも多々あります。こういった状況を念頭に置き、仕事に対する自主性やリーダーシップ力、向上心を持って臨めることが大切です。

コミュニケーション能力

エンジニアとして、他のチームメンバーと円滑なコミュニケーションが取れ、効率よく仕事ができる能力も必要不可欠です。このために入社した会社の業務だけでなく会社概要や方針、価値観、ビジョンを深く理解している必要があります。

以上の注意点・ポイントを抑え、転職に向けてなるべく早い段階で行動を起こすことが大切です。また、転職成功率をさらに高めるために、転職エージェントを利用することも非常に有効な手段としておすすめします。

一口に転職エージェントといっても様々ですが、WRB系企業へのキャリアチェンジや社内SEへの転職に限定するのであればIT特化型のエージェントがおすすめです。

IT特化型エージェントの強みは、IT関連の情報を詳しく把握していることです。また、求人先の企業がどのようなスキルを持った人材を求めているのか等、詳細を把握しているので、面接の際、企業ごとに有効なアピールポイントをアドバイスして貰えるため、転職成功率が高まるうえ、転職後のミスマッチなどのトラブルも下がります。

おすすめのIT特化型エージェントを以下に紹介します。是非、参考にしてみてください。

・レパテックキャリア
・DODA IT
・ワークポート
・マイナビIT

自社開発SEに転職したい

受託開発で客先常駐が多い ITエンジニアは、「自社開発の方がいい」と思いがちです。
それは、受託開発は時間との闘いでもあり、いつも時間がないため残業続き、場合によっては地獄を見るとも言われています。

この慢性的な残業(または休日出勤)が続くために、自社開発はラクに見えるということです。
実際は自社開発も決してラクではありませんので、受託開発の ITエンジニアが自社開発が良くみえてしまう勘違いをあげてみましょう。

【勘違い】

・時間に追われない
・技術的なスキルアップをする時間がある
・安定している(極端な繁忙期がない)
・自社に勤めているため社内での責任ある仕事が出来る
・自分の持っているスキルを発揮できる

この勘違いに対して、何が勘違いかを以下に書き出してみます。

『時間に追われない』
自社開発の場合は、客先との接触が多いため、ちょっとした細かな修正を頼まれたり、また小さいなトラブルも全て開発者が行うため、業務に集中できない。時間に追われないというより、時間を使われてしまう。

『技術的なスキルアップをする時間がある』
まったくの勘違い。むしろ受託開発の方が否応なしに様々なことを学ぶことになるので、スキルアップする速度は受託開発の方が早い。

『安定している(極端な繁忙期がない)』
会社経営という観点からみると安定しているということではなく、コストになってる時間が多い。

『自社に勤めているため社内での責任ある仕事が出来る』
全員がそういうことになるわけではない。

『自分の持っているスキルを発揮できる』
自分のアイディアを出すという意味ではそうだが、大きくみればスキルを出すという意味では受託開発も同じ。

その他にも勘違いはあると思います。これは IT業界に限らず隣の芝は青く見えるというものですね。

そしてもうひとつ大事なことがあります。キャリアパスをどう考えているかということです。
ITエンジニアとして、SE(システムエンジア)をずっと続けたい、という希望があるとして、それは現実的かどうかとなると、おそらく毎年若い人材が投入されてくる業界の中、第一線でいつまで SE でいられるか。
会社が求めるのはリーダーとしてチームをまとめること、あるいはプロジェクトマネージャーとして管理をして、プロジェクトを成功に導いてくれる人材です。
こうなってくると、受託開発で経験を多く積んだ方が有利です。

上記までのことを全てふまえて、「自社開発へ転職」を考えていただければいいかと思います。
実際に転職・就職の求人サイトをみると、自社開発企業の人材の募集も多いです。もともと IT業界にエンジニアが不足しているということがあるためですが、プログラミングのスキルがあれば問題ないでしょう。さらに「設計」が出来れば、かなりの人材ということになるはずです。
ただし、転職も年齢によって左右されるものもありますので、決断は早めに。

ブラック企業か、もしくはホワイト企業か

リーマンショックや東日本大震災では、日本経済だけでなく世界経済そのものが落ち込んでいた時期ではあったので、そもそもプロジェクト数も目減りし、単価もどんどん下がっていきました。
そこから比べると現在はアベノミクスで日本経済も回復しつつあり活況も呈していて、ソフトウェア・システム開発業界も盛り上がってきています。そして、この好調については、東京オリンピックまでは続くであろうとも言われているようです。
ただその一方で、飲食業界や介護業界と同じく、ソフトウェア開発・システム開発業界も、長時間労働・低賃金等と言った、ブラックなイメージがまだまだあります。
そのため各企業単位では、バースデー休暇やリフレッシュ休暇等の特別休暇や、社内食堂やカフェの設置、残業を会社側が禁止するなど、様々な施策を打って、社員の満足度や定着率の向上を図っているようです。

ここで着目したいのは、あくまで比率の話ではありますが、自社内で何らかのコンテンツを持っていたり、webサービスを発信したり、プロダクトを抱えていたりしている企業に関しては、上記のような施策を打っている比較的多く会社が多く見られます。
というのも、やはり社員が同じところで働くことが前提となっているためかと推測されます。
同じ組織で同じチームで働く以上、ロングスパンで見れば社員の定着率や満足度は、会社の将来の発展に直結することも大きいからでしょう。

翻っていわゆる特定派遣の会社では、基本的にSEの社員については、ほぼ毎日現場と自宅の往復になるため、社内設備の拡充に力を入れる会社も少なく、また特別休暇を制度化しても、どうしても派遣先のプロジェクトや案件の都合に左右されることも多く、形骸化してしまうことも多くなってしまう可能性も高いため、制度や設備に力を入れている会社は比較的少ないです。特に特定派遣については、SIer等と下限時間を設定していることもあり、あまり多く休まれてしまうと下限時間を割って会社の取り分が減ってしまうため、なかなかSEにも気持ちよく休ませてあげられない状況もあるようです。
なので最近増えてきた例としては、会社がお客様にあたるエンドユーザーやSIer・プロジェクトを選別し、炎上しているプロジェクトにアサインしない、コンプライアンスがきっちり守られ、安定しているSIerのところに派遣するなど、対SEではなく、対企業間で努力を行い、社員の満足度や定着率を上げようとしている会社が増えてきたようです。

一概に社内系がホワイト、派遣系はブラックとは言えないですが、まだとりあえずはこの景気の良さが続いている限りは、この業界だけが落ち込むこともないと思うので、あまり固執することなくどちらも体験して判断してみるくらいの意気込みで、相性の合う会社を見つけたほうが良いと思います。

IT業界、受託開発とは?

ITエンジニアには仕事としてまず大きく2つあります。

・受託開発
・自社開発

受託開発とは、その名のとおり、仕事を受けてシステムやソフトウェアを開発する事です。「こんなシステムを作ってほしい」と依頼があり、実際にカタチにしていく、ということです。
自社開発とは、自社で売り出す製品を企画し、それを組み立てていくという独自のシステム開発です。

この2つはよく仕事の仕方としてどちらがいいのか?のように捉えられることがあります。
ITエンジニアの仕事を実際にしたことがない人のイメージでは、受託開発より自社開発がやりがいがあると思っている人が多いです。
それは、「受託開発」=「客先から言われたものを作る」というのと、「自社開発」=「新しいプロダクトを生み出す」ということで、自社開発の方が自由さがあり、作り出す楽しさがあると思っているからです。
間違っているわけではありませんが、実際はどうでしょうか?受託開発のネガティブなイメージが独り歩きしているようです。

受託開発は、注文されたものを作るということですから、「オーダーメイド」です。注文先の要望に合わせてピッタリのものに仕上げる、それは問題解決が図られ、結果は喜んで頂けるという仕事の成果としては非常にやりがいのあるものです。

自分の会社にこんなシステムを作ってほしい、という依頼がきます。
この時にはすでに依頼に来た会社は何かに困っているということです。
ここから、システムエンジア(SE)ともに何をどうしたいのか、どうなればいいのか等のディスカッションがはじまり、具体的なカタチと予算に応じた設計をします。
そして組み込み(実装)があり、テストがあり、完成品を作り出し、納品する。
実稼働が始まり、ソリューションとして解決をみたものは依頼者からの喜びと共に満足もいっしょに得ることが出来ます。

つまり解決する手段を提供するというのが受託開発の醍醐味です。また確実に報酬を得られる仕事です。

これらのことに現在 ITエンジニアをしていながら気づかずに仕事をしている人もいて、受託開発から自社開発に転職したいと思うようですが、実際に自社開発に転職してみて、「なるほど、受託開発っていうのはそういうことだったのか」と分かるということになります。

確かに、現在はどちらかと言えば「自社開発」をしたいというエンジニアの方が多いですが、それは単に「受託」という言葉のイメージで捉えているからで、実際には「個別の問題解決」をしているということなんですね。

常に勉強が必要なシステムエンジニア

座学で勉強する事はシステムやソフトウェアについての深い知識を身に着ける役に立ちます。
そして、自分がやっている業務の範囲内の機能だけを理解するのではなく、そのソフトウェア全体の機能を理解する事で障害対応できるシステムエンジニアとして成長します。

このような障害対応が出来るようなシステムエンジニアになるためにも座学が必要です。
しかし、座学をして幅広い知識を身に着けておかないと非常に痛い目を見る事があります。
それが、プロジェクトが変わって新しいシステムを担当する事になった場合です。
新しいシステムを担当する事になると、そのシステムが以前担当していたシステムと近い構造であればラッキーですが、全く違い構成をしていた場合は座学で幅広い知識を勉強していないと非常につらい事になります。
たとえば、OSがWindowsからUNIXに変わった場合を例に挙げましょう。
Windowsであれば画面上でマウスなどを使ってフォルダを触ったりファイルを作ったりというようにヴィジュアル的に操作する事が出来ます。
対して、UNIXというOSであればヴィジュアル的に操作するのではなく、全てをコマンド分というコマンドを打ちこむ事で操作します。
コピー&ペーストのような単純な作業ですら全てコマンド操作です。
このようなUNIXのコマンド文を全く知らなかった場合はどうなるでしょうか?
一つ一つの作業に非常に手間取るようになり、気がつけば残業時間が膨れ上がる事になります。
また、コマンド文くらいであれば、コマンド文を書いた本を持って作業すれば対応出来ますが、それ以外にもUNIXには全くWindowsとは異なっている機能を持っています。
このような知識を全く知らないと本当に使えない人間になってしまいます。

このようなシステムの変更に加えて、担当する分野も変わってしまうとさらにひどい事になります。
例えば、今までずっとデータベース関係の作業をしてきたのに、いきなりネットワークの担当を割り振られたようなケースです。
システムエンジニアであればデータベースでも、ネットワークでも分かるだろうと思われがちですが、実際にはほとんど知識がかぶらない分野である上に、非常に勉強するのに時間がかかる分野であるため、どちらかには詳しいが、どちらかはよく知らないというケースが多くみられます。
このような場合に担当が変わると、業務で身に着けたデータベースの知識が生かせず非常に苦戦する事になります。

このような自分が実務をやっていた分野と全く違う分野に回された場合にはしっかり勉強していないと全く対応できなくなるという恐ろしさがあるのが、システムの仕事です。
このような事態に備えてしっかり自分で勉強しておきましょう。

自社開発とは何か?

IT企業には受託開発と自社開発があります。
読んで字の如くなのですが、受託開発は、ある企業や組織から依頼を受けて開発するということ、自社開発は、自社独自で製品を開発するということです。

受託開発については、何をすればいいのか、どんなカタチのものを作ればいいのかがほぼ最初から分かっています。
これに比べて自社開発は、売れる製品を考え出す、それには今持っている技術で出来るもので行うのか、新たに必要な技術があるのか、どれくらいの期間でどれくらいの人を投入すべきなのか、あるいはどこをタイムリミットにすればいいのか等、無から有を考え出すことをしなければなりません。

最初の大きな問題は、完成品は売れるものなのか?という検討が必要です。
どれくらいのマーケットがあるのかを考えずに、ただ開発する余裕ある企業なら別ですが、通常はそれはありません。まずは顧客ターゲットの存在とそのマーケットの規模をハッキリさせ、それにより、コストをどれくらいかけられるかが決まります。

コストについては、開発人数とその期間を割り出さなければなりません。ここには「設計」もあります。管理者以外で、ITエンジニアとしてはここまでに関わるのは少数(場合によってはひとり)で行われます。

この後に、実際にプログラミングなど技術に応じて開発を進めていくわけですが、この時点でも関わったエンジニアがその都度自らの技術によってコードを書くわけですから、ここはかなりのノウハウが詰め込まれます。ノウハウはエンジニアのスキルによって変わります。

自社開発というのは受託開発に比べると研究開発的な部分もあり、開発期間というのは長く取られています。コスト意識があるのはプロダクトマネージャーやチームリーダのみで、その他は創造的な部分で能力を発揮してもらわければならないため、いつまでにどこまで終わらせなければならない、というのは個々人で意識が違うと考えていいでしょう。

会社からすれば「受託開発」が確実にコストも利益も計算できるメリットはありますが、常に受注出来るというわけではないので、受注できない場合はエンジニアが何も出来ないという事態になります。
「自社開発」の場合は、ほとんどの場合に、何もやることがないというのはありません。例えば任されている組み込みが終わったとしても、次のことを考える(創造作業)というクセが付いているということもあり、また、さらに新たな製品を生み出すため考えなければなりません。

自社開発したものが導入され稼働するにようになれば、さらにそのメンテナンスや、不具合やバージョンアップなどの開発もあります。

ITエンジニアに「自社開発」がいくらか人気があるのは、「自分のアイディアが出せる」、「受託開発よりもタイムリミットは緩やか(いくらか自分のペースで進められる)」ということがあるようです。
ただし、自社開発は製品になり、それが売れるまではすべてコストである、ということは知っておいてください。

SEを辞めたいと思うとき。休みなし、残業代なし

SE(システムエンジニア)は、お客さまの夢を実現するためのお仕事です。そう思い、お客様に喜び、満足していただくことを生きがいに日々、システム開発をしているのですが、相次ぐ残業、休日返上に嫌気がさしてくるのもまた事実です。「何のために、この仕事やってるんだろう?SE辞めたいかも。辞めちゃおうかな?」とアイディアがでてこなかったり、追い込まれている時に思いがちです。

新人のSEに限ると、89%ぐらいの人が、辞めたいって思うらしいです。新人研修がだいたい半年あって、その後、先輩社員について実地で作業に入ると残業時間は青天井・・・・・・。月の残業時間は軽く100時間を越えます。仕事も満足にできないのに時間ばかりかかり、プライベートな時間も少なくなり、息抜きもできずに追い込まれる。日に日に『辞めたい」という気持ちが膨らんできます。納期が近づいて、お客様のニーズにあったものが満足に進んでいないと、ピリピリした空気に逃げ出したくなってしまいます。

SEのお仕事ではなくPG(プログラマー)よりのお仕事など、自分が本当にしたい仕事ができない時にも、「私は何をやっているんだろう?」と思うことがあります。「プログラム組む為にSEになったんじゃない」たしかに、プログラムを組むことが基本なのですが、SEになったからにはシステム設計をやりたいんですよね。そんな、自分の希望と現実のギャップがさらに「辞めたい」という考えを増幅させたりします。

SEは適応障害から鬱傾向になる割合が最も高い職業と言われています。心の病気になってからでは遅いんです。合わないなと思ったら。SE、辞めちゃえばいいんです。待遇が悪くて辞めたくなる場合、ひとつのプロジェクトが終わったら、さっさと転職したほうが自分のスキルアップにもつながります。「じゃあ、SE辞めてどうするの?」となります。自信のある人は、独立してフリーになるのもいいと思います。せっかく身につけた技術がもったいないんですよね・・・・・・。けれど、IT業界が嫌になっている場合は、独立してフリーになる気もないし。

まったく今までと違う業界に飛び込むのも、色々と考えてしまいます。長く続けていく仕事、健康を害したり、過労死をしない範囲で仕事を行うことが大前提です。「向いていないかも」と適応障害から心を病むくらいなら、精神衛生上、すっぱりと辞めてしまった方がいいかもしれません。自分を守る行動が大切ですね。

自社開発のメリットとデメリット

自社開発と言えば ITエンジニアには若干人気があるようです。
それは受託開発に比べて「時間に追われない」ということが理由のひとつにあるためです。
しかし、それはメリットでしょうか?またはデメリットは他にないでしょうか?
ちょっと考えてみましょう。

メリットとデメリットを考える場合は、一般的な職業と比べるより、やはり「受託開発」と比べた場合どうかということが現実的で分かりやすいです。以下のメリットデメリットは、「受託開発と比べて」という意味になります。

【メリット】
・自社内で腰を据えてじっくりとシステム開発が出来る
・自分たちのシステムを作り上げていくという意識
・開発する会社の業界システムに精通することが出来る
・開発期間や納期が調整出来る

【デメリット】
・SE(システムエンジニア)としての経験の幅が狭い
・システム導入後のメンテナンスやトラブル対応は開発したものがやるため雑用が増える
・プロジェクト管理や開発管理の手法を学ぶ機会が極端に少ない
・様々な会社と接触が少ない分、IT企業での転職を考えた場合不利
・組織人になりにくい

受託開発と比べたものなので、デメリットがそのまま全てが不利になるということではなく、逆にメリットにおいても同じことが言えます。
メリットはやはり時間に追われないというのはその通りかもしれませんが、締め切りがあるからこそ、チカラを発揮することが出来るとも言えます。

この中で特に注意していただきたいのは、将来もしもプロジェクトマネージャーやITコンサルタントを目指しているというのであれば、デメリットの方が多くなるということです。
上にもあげたように、プロジェクト管理などの手法を直接経験するには受託開発の方がいいです。
また、ITコンサルタントには SE としての経験の幅が必要です。
そして、プロジェクトマネージャーもITコンサルタントも「組織人」として揉まれていなければ、勤まらない可能性は高くなります。

プロジェクトマネージャーや ITコンサルタントを目指しているのに、自社開発に携わっているなら、会社にそれを相談することはいいことです。むしろ会社としてはそのような人材が必要なので、キャリアパスをいっしょに考えてくれることでしょう。

最後にひとつ、自社開発の場合、ゼロからの開発のみではありません。すでに使われているシステム、あるいはパッケージソフトに手を加えて「作り変える」「修正する」などもありますので、この場合はほとんどのITエンジニアはあまりやりたくない仕事に位置します。すでに使われているシステムの中には何年も前に導入した自社製品もあるので、これはデメリットに側に入るのかもしれませんね。

客先常駐という受託開発のカタチ

ITエンジニアの受託開発は2つのカタチがあります。

・自社内で開発
・客先常駐

受託開発のほとんどカタチは「客先常駐」と言っていいでしょう。
そしてこの「客先常駐」にもまた2つあります。

・請負
・派遣

この「請負」「派遣」というのは契約形態が違い、命令系統や働き方が法的に決められています。
ただし、この2つの違いについては、ITエンジニアとして実際の業務・作業には大きな影響はありません。(※注:厳密には違うがここでは取り扱わない)

さて、「客先常駐」という働き方ですが、関わっているプロジェクトによってその期間は様々です。自社に通勤するのではなく、客先へ直接「出社」し、そのまま帰宅することになりますので、常駐している会社が自分の出社する会社と同じようになってきます。客先では自分のデスクもあります。

そのような働き方をするわけですから、自社への出社はほとんどなく、交流は上長等の管理者くらいです。自社内でのことは分からなくなるというデメリットはありますが、しかし ITエンジニアとしては客先常駐の方がメリットは大きいと言えます。

その理由として、
「様々なシステムを経験することが出来る」、「人脈が広がる」、「実績によってはヘッドハンティグもあり得る」、「気が合わない人が一緒でもプロジェクトが終わるまで」など、自社内に留まっていては得られないものを客先常駐をしていることにより、チャンスがたくさんあります。
客先では自社のITエンジニアだけではなく、他の会社からも常駐しに来ていることが普通なので、さらに他のIT企業との人脈も出来るため、転職を考えた場合にかなり有利だと考えていいでしょう。実際に常駐先で他のIT企業との関わりから、そちらへ転職するというのはよく行われています。

仕事のスキルアップについてはどうでしょうか?
客先常駐は短くて3か月、長い場合は10年同じということもありますがそれは特別です。半年から3年の間と考えていいでしょう。受託開発ですから、新しい分野のスキルが自ずと必要なる、これが実は大きなスキルアップになります。好きなことをやっているのと違い、やらざるを得ないことというのは確実に身についてしまう、身につけなければ仕事が進まないので、その分幅広い技術を手に入れることが出来ます。

さらに客先が変わった分、経験する現場が増えるわけですから、開発プロジェクトの進め方や開発手法も様々なものを知ることになります。こういうことが将来プロジェクトを任されたときの役に立つことは間違いありません。

客先常駐という受託開発のカタチがどんなにチャンスがあるものかを知っていることも大事なことですね。

SEはやりがいはありますが、ハードな仕事です。

新卒で地方のソフトウェア会社に就職しました。
大学では情報工学を専攻していました。

私が配属された部署が某銀行のシステム部門で、銀行員の方や他のソフトウェア会社のシステムエンジニア、プログラマーの方々といった様々な会社の人と働いていました。
配属されて1、2年はシステムエンジニアというか、ほぼプログラマーでした。
先輩や上司が書いた仕様書をもとにプログラムの作成、修正を行い、実行テストをして本番の運用にのせる、といった作業を黙々とこなしていました。
この頃感じていたのは、システム的な知識が豊富なだけでは、この先、通用しないな、ということです。
銀行の様々な業務を理解しておかないと、システムを稼働させた時の結果や不具合を見つけられないからです。
それで、「新人」という立場を利用して、自分から率先して銀行員の方々に銀行業務を教えていただきました。

3、4年目からはちょっとした設計や仕様書を作成することも増えてきて、段々と一人で仕事を任せてもらえるようになりました。
沢山、失敗もしたし、恥もかきました。
勤務的にもとてもハードで22時、23時くらいまで残業することも多かったです。

また、銀行での業務だったので、休日出勤や夜間出勤も多かったです。
大きなシステムの入れ替え作業などは、どうしても銀行休業日に行わなければならないからです。

システムエンジニアは、3Kの仕事だとよく言われます。
きつい、きつい、きついの3K。
確かに、先輩や同期には精神的に不安定になり、休職する人もちらほらいました。
原因は長過ぎる勤務時間や、人間関係だったりと様々でした。
私も自分の設計したプログラムやシステムがうまく稼働しない時は、食事も喉を通らなかったり、通勤途中に何度も腹痛をもよおして、バスを降りたりしました。
けれども、こういった困難や壁はどのような職種に就いても、直面すると思います。
システムエンジニアだけのことではない!と私は思います。

年収についてですが、これは就職した会社によってピンキリだと思います。
誰もが知っている、有名ソフトウェア会社ならばそれなりにもらえるでしょうし、私のような地方の会社ならば、大半が数百万円です。
私自身のことを言えば、20代後半で400万円くらいでした。

銀行などの金融機関では、様々なソフトウェア会社の人たちが働いています。
銀行からの元請けとなっているのが、だいたいI○Mや富○通、日○など大きなシステム会社です。
そこから、下請け会社に開発が委託され、さらにその下請け会社から派遣された孫請け会社の人が作業しているといったことも多々あります。
元請け、下請け、孫請け、それぞれの会社のシステムエンジニアが立場の差こそありますが、一緒に働いているのです。
色々な会社の人と働けて、私は楽しかったです。
プロジェクト終了後、孫請け会社から、下請け会社に転職した人もいます。
同業種での転職はけっこう盛んなのではないでしょうか。

10年ほど働いて感じたのですが、システムエンジニアといえば理系出身者の方が有利な感じがしますが、実は、論理的に物事を考えられる文系の人こそ、むいている気がします。
文系の皆さんにも、積極的にこの業界に入ってきて欲しいと思います。

常に勉強!システムエンジニアの仕事

「システムエンジニアの世界では、技術革新が進んでいるので日々勉強です。」、このよな話をシステムエンジニアの仕事の説明を聞くための就職説明会に行くとされる事になります。
この話はただの脅しとかきれいごとかと思っていましたが、システムエンジニアの世界に入って、納得しました。
確かに勉強の日々です。

システムエンジニアという仕事ほど同じ会社の社員であっても激しい実力差がある仕事はないのではないでしょうか?
本当に同じ年次の社員でも全く技術力は違います。
これは日々勉強を続けてきたかという事が如実に現れるためです。
本当に10年目の社員なのに、技術的な実力は新卒でコンピューター関係の学科を出てきた新入社員に劣るという現実があります。
全く勉強しないと、全く成長しないというシステムエンジニアの世界の恐ろしい現実があります。

ここで言ってる日々の勉強という意味は仕事の中で学ぶという意味で言ってるのではありません。
本当の意味でのいわゆる教科書を開いて勉強するという意味の座学です。
勉強嫌いのシステムエンジニアはよく仕事で学ぶというような事を言って全く座学での勉強をしません。
しかし、仕事で学ぶというのは当たり前の事で、仕事からも学べないシステムエンジニアは本当にやばいです。
正直、転職をおすすめするレベルです。
実際、普通のシステムエンジニアであれば、仕事からの学びを得る事である程度の作業をこなす事は出来ます。
ルーティーンワークであれば効率化して、問題無くこなす事が出来るでしょう。
では、なぜ座学の勉強が必要なのか?
それは自分が使っているシステムの構造、ソフトウェアの多様な機能を理解する必要があるからです。
仕事では一部の機能しか使わないため、木を見て森を見ずの状態になり、本当にそのソフトウェアやシステムを理解する事はできません。
そして、このような事柄を理解していないとシステムエンジニアの力が最も試される障害発生場面で、全く役に立たないシステムエンジニアになってしまいます。
ルーティーンワークをこなしている場面では普通のシステムエンジニアも優秀なシステムエンジニアもさほど能力は変わりません。
優秀なシステムエンジニアは障害が発生した時にその実力を発揮します。
このような優秀なシステムエンジニアというのは数少なく本当に10人いたら1人という位の比率でしか存在しません。
障害発生時はこのような1/10の優秀なシステムエンジニアが先陣を切って対応する事になります。
優秀なエンジニアの特徴は座学などでソフトウェアやシステム関係の深い知識を身に着け、システム構造図を読み込む事でシステムの全体像を理解しています。
それが、障害発生時に生きていきます。
優秀なシステムエンジニアになりたかったら、システム全体を把握するための座学の勉強は欠かせません。